おはようございます。
家の前にある公園にトンボが見える季節になりました。
また、桜の木の上部が、若干ではありますが、赤みがかってきました。
ただ今、秋を感じておりますラッキージュースです。
皆さんは秋と言えば、何を想像しますでしょうか。
紅葉やハロウィン、お月見ですか。
この過ごしやすい季節に感謝しながら、元気に健康第一で楽しく生活したいものです。
今回の投稿では、昨日ちょっと予告しましたが、OSO18というヒグマについての話をしたいと思います。特には彼が死んだ原因の解説です。
というのも、私は今学校でヒグマについての研究をしているのよ。だから、このヒグマについては触れたかった内容なんよな。
マニアックな内容かもしれんけど、教養の1つとして、読んでみてはいかがでしょうか。
では書いていきますね。
OSO18 というヒグマを皆さんはご存知だろうか。
簡単に彼について説明しますね。
このヒグマは、わずか4年ほどで(分かる範囲で)66頭もの牛を襲い、約半数の32頭を殺した。それもほとんど夜間かつ罠にも引っかからないので、なかなか捕まえることができなかったヒグマ。
基本的な食事は木の実や昆虫などのヒグマ。そんなヒグマがこんなに牛を襲うのは異例なこと。OSO18は全国的に話題になった。
そんな彼が今年(2023年)の7月末に駆除された。
「忍者」とも言われるほど人前には姿は現さず罠にも引っかからないオソ。そんな彼が、この日は初めてヒグマを駆除する事になるハンターによって、簡単に駆除された。
熟練のハンターが血眼になって探しても駆除できなかったヒグマが、経験の浅いハンターによって簡単に駆除された。それも、オソの行動圏と考えられていた範囲の外側で。
(オソの行動圏は、彼が襲った牛に付着する毛のDNA等から割り出せる)
分かりやすく説明すれば、
牛を異常なほどたくさん襲い、その警戒心の高さから熟練のハンターでさえ見つけることに困難を極めるヒグマが、普段ならいないはずの場所で、未熟なハンターに駆除された。ということ。
では、この経緯にはどんな背景があるのか。
今回はそんな話をしたい。
ちなみに、OSO18を打ったハンターはオソとは分からず撃って、解剖業者に売り渡し、
解剖業者も、オソとは分からずに解剖し、都内のジビエ料理店に売ったそう。
この頃にあの熊は、OSO18だと分かり、そのジビエ店には、大勢の人が来たそうな。
結論から言おう。
OSO18が未熟なハンターに駆除された理由は、詳しくは分かりません。
しかし、考えられることがある。
それは、OSO18は、他のオスヒグマとの争いを避けて移動し、食事にありつけず、弱っていた。という可能性である。
これは、OSO18の骨の調査や、解剖した業者さんの証言、ヘアトラップから見えてくる。
まずは、OSO18の骨の調査から。
彼の骨を調べると、通常のヒグマでは考えられない驚きの事実が判明した。
それは、食性の特異なこと。オソの食事は肉に偏っていたのだ。
牛をたくさん襲っていた事実からも想像できるが、彼は肉をたくさん食べていた。
一般的なヒグマの食性に対いて、オソのそれは異常だった。
また、オソは死ぬ直前空腹であった。
OSO18を解剖した業者さん曰く、オソの胃は空っぽだったそう。
このことから、オソは駆除される前のしばらくの間、満足な食事ができなかったことが考えられる。
そして、*ヘアトラップから考えられることがある。
(*ヘアトラップ:クマの毛を採取するための罠。木に背中を擦り付ける熊の習性を利用して、木に有刺鉄線を巻き、毛を絡み取るもの。)
この罠から、OSO18の行動圏には彼の他にもオスヒグマが存在していたことが分かったのだ。
そのため、オソは行動圏を広げていき、結局は例年では姿を見せなかった地域で駆除された。
これは私の推測だが、オソは特に警戒心が高いため、他のオスとの争いを避けたいがために、移動したと考える。そして、移動先には十分な食事(牛の肉)がなかったのではないだろうか。
じゃ、牛の肉以外も食べればよかったじゃん。
そう考えた読者もいるだろう。
しかし、オソは牛の肉以外はほとんど食べれないヒグマだったと考えられる。
それは、ヒグマの習性から分かる。
ヒグマは、美味しくて手に入りやすい食べ物があるとしつこく執着するという習性がある。
これにより、牛をたくさん襲ってきたオソにとって、牛の肉は手に入りやすい食べ物になって、それしか食べれなくなったのではないだろうか。
(なぜOSO18が牛を襲うようになったのかはまだ分かっていない。)
以上を踏まえてまとめる。
OSO18は、例年には見られなかった地域で、経験の浅いハンターによって駆除された。
その背景には、他のオスヒグマを警戒し移動したが、食事にありつけず、弱っていた可能性がある。
と考えうる。
じゃまた。